無料で走れる高速道路が増えてきている昨今ですが、今回は「無料高速道路」の代表格ともいえる「名阪国道」について記述内容となります。
名阪国道は名古屋エリアと大阪エリアを結ぶ大動脈です。
しかし、死亡事故率が全国ワースト1位なことをはじめ、色々と危ない道としても知られています。
そんな名阪国道について紹介していきます。
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名阪国道の道路料金は無料区間!
「名阪国道」は、三重県の四日市市から大阪市北区に至る国道25号線のバイパス路線で、三重県亀山市の「亀山IC」から、奈良県天理市の「天理IC」までの73kmの路線になっています。
開通は1965年と古く、日本の自動車専用道路の中でもかなり初期の部類に含まれるものの、名古屋~大阪間の最短ルートとして知られ、普段から多くの車が走っています。
名神・新名神は京都を経由しますからね。
この道は信号のない、一見すると高速道路のようなスタイルの道になっているのですが、開通から半世紀、通行料金はなんと無料となっています。
素晴らしいですね、高速料金がクソ高い日本で「無料」なんです。
この道は無料ということで、普通車が多数走行しているのみならず、高速道路を通ると「大型車料金」を取られてしまうトラックなども、多数走っています。
名阪最短ルートなのに無料とくれば、使う人も大勢いますし、日本経済に大きく貢献しているのが名阪国道です。
名阪国道は危険で事故が多発している!
そんな名阪国道ですが利用者にとって「危険な道」としても知られています。
![](https://bike-etc.worker-blog.com/wp-content/uploads/7041.gif)
名阪国道のルートはこのような形になっているのですが、この縮尺で見ても、カーブが多い事がはっきりと分かります。
これは、名阪国道が高速道路ではなく「準高速道路」として特例で建設された、歴史的経緯によるもので、名阪行動自体は「高速道路に並行する自動車専用道路」という扱いとなっています。
そのためそこまでのハイスペックは求められず、設計速度も60キロで建築基準も特例扱いとなっています。
この道は当時の建設大臣であった河野一郎氏が、1000日で完成させることを目標とし、実際に1000日で完成したことから「千日道路」と呼ばれることもあるのですが、これは用地買収が比較的容易であったことと、構造が平易であったことが要因なようです。
ちなみにこのような扱いの道の為、有料道路として供用することも検討されたようなのですが、沿線住民には「無料道路」として建設していることを明言していたため猛反発に合い、結局は現在のようなスタイルとなりました。
名阪国道のΩカーブは事故多発で要注意!
![](https://bike-etc.worker-blog.com/wp-content/uploads/AS20181012000843_comm.jpg)
そんな、みんな大好き名阪国道なのですが、冒頭でも喋ったように、日本一死亡事故が多い道路という、不名誉な記録を持っています。
死亡事故が多い理由としては以下になります。
- 高速道路として作られていないにもかかわらず、線形はまるで高速道路であるかのような造りの為、100キロを超えるスピードで爆走する車が絶えないことが、まず原因の1つです。
- 重要交通ルートで交通量が多いにも関わらず、半世紀前の設計で安全性が低いことが、もう1つの原因です。
ちなみに覆面パトカーもめちゃくちゃ多いので、皆さん安全運転でいきましょう。(笑)
そんな名阪で特にヤバい場所が、この地図に表示されている「Ω(オメガ)カーブ」と呼ばれているカーブになります。
カーブの形が「Ω」の字に似ていることから、その名がついたようです。
![](https://bike-etc.worker-blog.com/wp-content/uploads/AS20181012000866_comm.jpg)
このカーブは、福住ICから天理東ICの間に存在しており、急カーブが連続するポイントになっています。
さらに、大阪方面は下り坂になっており、三重方面から快調に飛ばしてきた車がカーブに耐え切れず追突・横転する事故多発スポットになってしまっています。
そのために大阪方面の壁には、無数の追突痕が残されているようです。
また、この場所は山がちな地形であり、他えば事故で通行止めになったとしても、迂回路となりうる道が渋滞も多発しています。
さらにそこへ追突事故が起きるなど、名阪国道常連の方には「魔のカーブ」として、色々な意味で恐れられています。
名阪国道の危険サービスエリア(過去)
名阪国道には他にも、ヤバい構造が散見されます。
![](https://bike-etc.worker-blog.com/wp-content/uploads/500px-Takamine_Service_Area_IN-OUT_01.jpg)
例えば、この写真の場所ですが、サービスエリアです。
これは、2009年まで存在した「高峰SA上り線」に入場してくる車を撮影した写真なのですが、ご覧のように入場路が本線に対してまさかの直角です。
一般道のロードサイド店舗と同じようなつくりです。
ほぼ直角に曲がるということは、20キロ程度までは速度を落とさないといけません。
100キロ超えの車たちの中で一台、突如20キロに急減速する車がいるので、かなり危険な構造だったことが分かります。
![](https://bike-etc.worker-blog.com/wp-content/uploads/2d83ca442aec818978b10ccd13d910cc-e1594682588691.png)
これが高峰サービスエリアの航空写真です。
下側にある大阪方面の施設も、かつてはT字路状態でしたが、のちに改良されて加減速車線がついています。
とはいってもかなり短めなんですけど、、、
ここは先ほど説明したΩ(オメガ)カーブ付近にあり、下り坂となっていることから、合流時にはかなり慎重に、タイミングを見計らうスキルが要求されます。
そして上側にあるのが、上り線の旧高峰SA廃止後の写真なのですが、T字路になっていることがくっきりわかります。
ちなみに廃止理由もバッサリと「危険だから」という、最後まで異色のサービスエリアでした。
他にも、高速道路ではないので、
- 路肩が狭い
- ICの加減速車線が相当短い
といった名阪国道には、現代の基準ではクリアできないような危険な構造が、数多く存在しています。
名阪国道史上最も危険なインター!(過去)
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そんな名阪国道で最後にご紹介するのがこちらの奈良市にある「針インターチェンジ」です。
このインターチェンジはいまでは道の駅が併設され、非常に立派なつくりとなっているのですが、かつては「名阪イチ危険なインター」ともいわれるようなスポットでした。
かつての針インターの姿がこちらです。
![](https://bike-etc.worker-blog.com/wp-content/uploads/zu_4.jpg)
この旧針インターは何と加減速車線がほぼ無しという、魔の合流ポイントでした。
要するに、アクセルorブレーキベタ踏みの、車もドライバーもギリギリな運転が要求されていたんです。
特に加速は、タイミングを逃せば立ち往生でそこに後続車なんて来た日には、汗ダラダラのプレッシャー地獄が待ち構えていた事でしょう。(笑)
この旧針インターは、現在のインターが併用される2001年まで使われていました。
そもそも名阪国道は無料道路であるため、料金所のスペースが必よ無く、インターチェンジも簡易的な設備で事足りたという背景があるのですが、そのインターチェンジも、A・B・Cのそれぞれに規模がランク分けされていました。
- A級は起点の亀山インターや、沿線の中心的な街である伊賀インターなどで建設
- B・C級はローカルインターで建設
針インターも低規格で設置されたため、このような構造になってしまったと思われます。
ちなみに名阪国道のこういった構造は、後の時代に問題となりました。
昭和62年には国会で、名阪国道が名指しで問題視されたほどだったのです。
こうしたこともあり、名阪国道では針インターを含め、危険な構造の改良が進みました。
針インターは改良が遅かったこともあって、現在でも三重方面の旧インター出入口が残っています。
2023年オメガカーブが改良された!
奈良県は2023年1月17日、国道369号香酔峠工区の工事を2023年2月4日に完了すると公示した。
今回の改良では、難所であるオメガカーブの線形を見直し、登坂車線を設置するとともに、道路位置を一部変更し、勾配を緩和した。
具体的には、名阪国道五箇谷IC付近の難所とされるΩカーブを、カーブの厳しさと急勾配を緩和することで交通の安全性を高め、走行性を段階的に向上させました。
まとめ
往年の名阪国道の姿を求めて、一度訪れてみてはいかがでしょうか。
様々な迷要素があるとはいえ、半世紀以上重要ルートとして使われ続けている大切な道であることに変わりはないです。
というわけで、名阪国道について記述しました。
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